蜂の巣駆除に使う殺虫剤やスプレー

蜂の殺虫スプレー

蜂の巣を自分で駆除する際は、強力な殺虫剤を用意しておくことが必要です。とはいえ、蜂を駆除するのに適切な殺虫剤を選ぶのは難しいもの。特にスズメバチを相手にする場合、十分な殺傷力のある薬剤でないと、いたずらにスズメバチを刺激する結果となってしまって危険です。今回の記事では、蜂の駆除に有用な殺虫剤を5つ紹介し、また、殺虫成分の解説や、蜂の巣を作らせない薬剤についても説明します。

蜂の巣駆除にはスプレータイプの殺虫剤が効果的

蜂に近づかずに遠距離から殺虫剤をまくのが、安全な駆除方法だといえます。したがって、巣に群がっている蜂たちを、スプレータイプの殺虫剤で一気に全滅させるのがよいでしょう。

おすすめのスプレー式殺虫剤

ここでは、スズメバチもノックアウトできるほどの強力な殺虫剤も含めて、5つの商品を紹介します。成分や噴射量、射程距離などを比較しながら、適切な殺虫剤選びの参考にしてみてください。

イカリ消毒 スーパースズメバチジェット

生命力の高いスズメバチに効果的な、メトフルトリン配合の殺虫剤です。噴射力が強く、約35秒で内容量を全放出することが可能です。薬剤が巣の中まで浸透し、すべての蜂を駆除できます。直径15cmの巣に対して1本が適用量です。巣の直径が4cm大きくなるごとに1本追加してください。

スーパースズメバチジェット

対象の蜂:スズメバチ(オオスズメバチをのぞく)、アシナガバチ、クマバチ
内容量:480ml
有効成分:メトフルトリン、d-T80-フタルスリン
有効噴射範囲:2~3m

エムシー緑化 業務用ハチ駆除殺虫剤 ハチダウン

プロも使用する、大容量の強力な蜂専用殺虫剤です。噴射量・噴射速度ともに申し分なく、飛び回っている蜂も広角噴射で撃退できます。殺虫剤選びに迷ったら、業務用のハチダウンをおすすめします。

ハチダウン

対象の蜂:スズメバチ、アシナガバチ
内容量:730ml
有効成分:d-T80-レスメトリン、d-T80-フタルスリン
有効噴射範囲:2m前後

フマキラー ハチ・アブ駆除殺虫剤スプレー バズーカジェット

特徴的なバズーカ型ノズルによって、最大12mの噴射力を誇ります。持続性の高いピレスロイド系の駆除成分を配合しているため、巣の中の蜂や巣に戻ってきた蜂も全滅させることも可能です。また、巣が作られやすい場所に噴射しておけば、蜂の営巣を防げます。

バズーカジェット

対象の蜂:スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ、ツマアカスズメバチ
内容量:800ml
有効成分:フタルスリン、トラロメトリン
有効噴射範囲:10m前後(巣には3~4m)

アースジェット スズメバチマグナムジェット プロ

オオスズメバチ以外のスズメバチには、このマグナムジェットプロがおすすめ。スズメバチの動きを止めるモンフルオロトリンのほか、致死効果の高い成分が含まれています。1本で直径25cmまでの巣に対応可能です。

スズメバチマグナムジェットプロ

対象の蜂:スズメバチ(オオスズメバチをのぞく)、アシナガバチ、ミツバチ
内容量:550ml
有効成分:フタルスリン、モンフルオロトリン、イミプロトリン、ビフェントリン
有効噴射範囲:3~4m

イカリ消毒 スーパーハチジェットプラス

アシナガバチを巣ごと駆除するのに適切な殺虫剤です。ただし、スズメバチには向かないので使用しないでください。最長1.5カ月ほどの巣作り防止効果があるので、春先に巣が作られそうな場所に噴射しておくとよいでしょう。屋外専用商品です。

スーパーハチジェットプラス

対象の蜂:アシナガバチ、クマバチ
内容量:480ml
有効成分:フタルスリン、プラレトリン、フェンプロパトリン
有効噴射範囲:1~4m(巣には2~3m)

蜂に有効な殺虫剤の成分

蜂に効果的な殺虫成分

殺虫剤には対象の虫に合わせて、さまざまな有効成分が配合されています。蜂を駆除するためには、どのような成分が効果的なのでしょうか。ここでは、蜂の殺虫剤に使用されている成分について解説します。

ピレスロイド系の薬剤が効果的

蜂用の殺虫剤では、ピレスロイド系成分がよく使われています。これは除虫菊が持つ天然殺虫成分であるピレトリンに似た化合物です。害虫の神経系に作用し、速効性や忌避効果にすぐれていますが、ほ乳類や鳥類には比較的安全な成分です。

プラレトリン

プラレトリンは「ノックダウン効果」と「致死効果」を兼ね備えたピレスロイド系成分の代表格です。蜂には特異的な効果を持つという説もあり、プラレトリンはポピュラーな殺虫成分といえます。蜂に反撃をさせないよう、速やかな駆除をおこないたいときに役立ちます。

トラロメトリン

トラロメトリンは駆除効果が長く続く殺虫成分です。巣に十分にトラロメトリンをかけることによって、巣の中の蜂たちだけでなく、帰巣した蜂も駆除できます。また、その持続性を利用して、あらかじめトラロメトリンを散布しておけば、巣作りの予防にも効果的です。

モンフルオロトリン

ピレスロイド系の成分は人体にはそれほど影響を与えませんが、それでも薬剤の量は減らしたいものです。モンフルオロトリンは少量でも十分な効果が期待できる、新しい薬効成分です。薬剤の使用量を減らすことで、周辺への影響を抑えられます。モンフルオロトリンの主な薬効は、速効性の高いノックダウン効果です。

蜂の巣を作らせない薬剤

蜂の営巣を防止するスプレーもありますが、広範囲に使用するにはコストがかさむのがネックです。蜂に巣を作らせないように散布しておく薬剤として、農薬や木酢液がおすすめです。ここでは、農薬や木酢液で蜂の巣を作らせない方法について解説します。

農薬を散布する

農薬の種類は多く、危険物や毒劇物にあたるものは入手するために資格が必要です。しかし、そこまで強力な農薬を用いなくても、蜂の営巣を防止できます。液体タイプの農薬を薄めて展着液と混ぜ、噴霧器などで広範囲に散布するのがよいでしょう。植物に吸収されて効果が2~3週間続く農薬として、オルトランやスミソンなどがおすすめです。

オルトラン

スミソン

ダイン(展着液)

木酢液を散布する

木材を焼いて炭を作るときに、発生する水蒸気を集めたものが木酢液です。木タールや酢酸、メタノール、アセトン、アセトアルデヒドなど多くの成分を含むほか、虫が嫌がる煙のようなにおいがあり、防虫効果にすぐれています。ただし、安価な商品や自作の木酢液では有害物質の除去が不十分であることが多いので、きちんと処理が施されたものを購入して使用しましょう。

中島商事-トヨチュー-備長炭-木酢液スプレー

まとめ

蜂の巣を自分で駆除するときは、蜂に刺される危険がともないます。そのため、蜂を「確実に」「素早く」仕留められる殺虫剤が必須です。殺虫剤だけでなく、防護服などの刺されないための装備も用意しておいたほうが安心ですね。蜂の営巣を予防したり、巣が小さいうちに駆除したりするのは、素人であってもそれほど難しくはありません。しかし、成熟した大きな巣やオオスズメバチの駆除は大変危険ですので、自力でおこなおうとせずに専門家に任せましょう。